
ちょっとした衝撃で割れて使えなくなってしまい、泣く泣く捨てていたお気に入りの器が金継ぎを施すことでまた食卓に並びます。
この嬉しさを広めたい気持ちと忘備録としてこのページを作りましたが、私自身は先生に教えてもらい、フォローしていただきながら金継ぎをしていますので、載せている内容に不足があると思います。興味が出てきたらもっと調べてみてくださいね。
金継ぎ(きんつぎ)は漆(うるし)を使います。
人によってはちょっと皮膚についただけで全身がかぶれてしまうことも・・・。しっかり準備をしてから作業に取り掛かります。
このページの「もくじ」はこんな感じ
必要なもの
ルーター/防護メガネ/アルコール/ウエス/テレピン油/生漆/小麦粉/水/ヘラ/マスキングテープ/彫刻刀/ガラス盤/筆
始める前に
- 皮膚を出さないよう長袖を着るか、腕カバーをする
- ゴム手袋をする
- 髪の毛は邪魔にならないようにする
- 新聞紙などを敷いて作業
- ガラス盤はアルコールでふき油分を取り除く
- 筆は使用前にアルコールで油抜きをしティッシュでおさえる
接着面をルーターで面取りする
割れて角が尖っている部分を削る
破片が飛び散ることがあるので必ず防護メガネをかけて行うこと
【麦漆をつくる】
- ガラス盤の上で耳たぶぐらいの硬さになるよう小麦粉に水を加え、ヘラで練る
- 生漆を少しずつ加えながら練り混ぜ柔らかいガム状にする
生漆の量は様子をみながら調整※麦漆は一晩寝かせてから使うと良い
麦漆をヘラでつける
器の接着面それぞれに麦漆をヘラでつける
接着剤の役割なので厚くならないようにする
割れた欠けらを合わせる
麦漆が少し乾き始めるタイミング(20分程度)で欠けらをズレないようにきっちり合わせる
合わせた接着面から麦漆が少しだけはみ出る状態で乾燥させる
もし、たくさんはみ出たり、接着面以外のところに麦漆がついてしまった場合はヘラで綺麗に拭き取る
※1度の作業で接着で着るのは1面だけ
欠けらが複数ある場合は 「麦漆をヘラでつける」「割れた欠けらを合わせる」 を
繰り返して割れる前の器の形に復元させる
※漆は硬化すると取りづらくなるのでここで丁寧に不要な麦漆は取り除く
2週間以上乾燥させる
乾燥中に動きそうな場所はマスキングテープなどで固定して2週間以上乾燥させる
【乾燥】
漆は科学変化で乾き、乾燥には湿度と温度が必要です。
温度20~25度、湿度70~75度が良条件
早く乾きすぎても遅すぎてもよくありません。必ず乾いてから次の工程に進みましょう。
はみ出た部分を削り取る
乾燥後、はみ出た部分を彫刻刀で綺麗に削り取る
生漆を付ける
筆を使い生漆を付けて接着面をなぞるように塗って乾燥させる
【砥の粉錆をつくる】
- 砥の粉に少しずつ水を合わせヘラで潰しながらよく練る(固練り)
※水を入れすぎた場合ティッシュで上からおさえるとよい - 水練りした砥の粉に生漆を混ぜ練る
割合は見た目で 砥の粉1:生漆1
※漆が少なすぎても多すぎてもダメ
接着面の溝に砥の粉錆をすりこむ
接着面の溝にヘラで砥の粉錆をすりこみ乾燥させる
生漆を接着面に塗る
筆を使い生漆を付けて接着面をなぞるように塗って乾燥させる
次の作業は・・・?
- 欠けを伴う場合は欠けの復元工程へ
- ヒビがある場合はヒビの補修工程へ
- 補修が終了したら金で装飾する工程へ